映画紙の月の横領金額と手口を解説!実話の事件にやり口が似ている?
映画紙の月は兼業主婦で銀行員の梅澤梨花が横領するお話です。
横領金額は総額1億円でその手口が巧妙で、段々と大胆になっていきます。
最初の横領したシーンの手口が難しいと感じた方がいるようなので流れを調べてみました。
今回は紙の月の横領の手口の解説と実話の事件のやり口が似ているについて紹介します。
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紙の月の横領金額と手口を解説
紙の月の原作では横領金額は1億円と設定されています。
主人公である梅澤梨花は大学生の平林光太と不倫をして彼の借金のために横領します。
次第に不倫と横領に溺れていく梨花は手口も大胆になっていきます。
最初の横領のシーンは緊張感もあり、その場しのぎの手口だったため流れが分かりにくいという人もいたようです。
そこで、最初の横領とそれ以降の手口について解説していきます。
手口①:平林孝三の定期預金200万の横領
梅澤梨花は子供の頃から寄付のためなら親の金も盗むような異常な性格をもっていました。
不倫相手である平林光太に借金があるとわかると、なんとかして助けたいという気持ちがあったのか横領を考えます。
そして光太の祖父である平林孝三が200万の定期預金を申し出た時についに横領を実行します。
その時の手口がその場しのぎの緊張感あるシーンであったので複雑に見えてしまいました。
横領の手口をまとめると次のような流れになります。
ポイントは『預り証』『定期預金証書』『現金』です。
まず平林氏が定期預金を現金とともに申し出ます。
それを受けた梅澤梨花が『預り証』と引き換えに200万円を受け取ります。
銀行に戻った梨花は上役から『定期預金証明書』に印をもらって200万円を銀行に収めます。
本来であれば、この後『定期預金証明書』と平林氏の持つ『預り証』を交換して取引が成立します。
しかし、梨花は『定期預金証明書』に印をもらった段階で契約をキャンセルしたいと嘘をつきます。
書き損じを記入して『定期預金証明書』を破棄しなければいけないところ、『定期預金証明書』を盗みだします。
梨花は現金を自分の手元に置き、本来破棄されるべき『定期預金証明書』を平林氏に渡します。
まとめると
・平林氏は『預り証』と『定期預金証明書』を交換して取引が「正常に」成立したと思っている。
・銀行側は書損手続きを行っているため現金が平林氏に返っていると思いこんでいる。
・行き場を失った現金が梅澤梨花の懐に入る。
存在するはずのない『定期預金証明書』があるため成立した横領の手口になります。
手口②:小山内夫妻定期預金200万の契約偽装
存在するはずのない『定期預金証明書』の手口に味をしめた梨花はタガが外れるように横領をしていきます。
新車や孫のためにと預金などの取引をする小山内夫妻に対して、『定期預金証明書』を偽造して現金を騙し取ります。
梨花は銀行から原紙となる『定期預金証明書』を盗み出します。
その後プリンターで『定期預金証明書』を、昔懐かしプリントゴッコで銀行印を複製します。
証明書の偽造により梨花は銀行を通さずに現金のやり取りが可能になりました。
小山内夫妻をはじめ多数の取引を行い、最後のシーンでは相当な数のニセ証明書が積み上げられていました。
手口③:名護たまえの預金引き出し金500万のネコババ
名護たまえは少し痴呆のある老婆で、忘れっぽさや注意力がないことに漬けこまれ梨花から大金をネコババされてしまいます。
映画の中では、着物を買う予定だった(梨花の嘘)300万円をおろして持ってきてもらいます。
しかし、買う気がなくなったのではないかと勘違いしたために手続きを踏まずに梨花に預け返すように頼みます。
梨花は信用金庫にダッシュして自分の口座を作りネコババした300万円を預け入れます。
さらに終盤では200万円おろして、頼まれていた10万円だといって名護たまえに渡して190万を自分のポケットに入れてしまいます。
預かり証に記入させることで信憑性をもたせて横領をしていました。
紙の月のやり口が実話の事件に似ている
紙の月と同じような女性が犯人の日本三代横領事件があります。
「滋賀銀行9億円横領事件」「足利銀行詐欺横領事件」「三和銀行詐欺横領事件」
この内、「滋賀銀行9億円横領事件」では奥村彰子という銀行員が預金証書を偽造して横領しています。
年齢や容姿、手口などが紙の月の犯行と似ていましたので紹介します。
滋賀銀行9億円横領事件
紙の月はフィクションですが、滋賀銀行9億円横領事件という実話の事件がモデルになっているのではと噂されています。
滋賀銀行に勤めていた奥村彰子という女性は山県元次というタクシードライバーと恋仲になります。
この山県元次という男はギャンブルに明け暮れており、金遣いも荒かったとされます。
奥村は金を貸していましたが、山県の要求は徐々に多くなっていきます。
そんな時、奥村彰子はKさんという男性と知り合います。Kさんは奥村に好意があり定期預金の小切手を預けるようになります。
Kさんのお金は全て山県にながれ、やがてKさんのお金が底をつきます。
そして、どうしようももなくなった奥村はついに銀行のお金に手をつけてしまいます。
たまたま持っていた預金証書を偽造して銀行印も油絵で自作します。
偽造した預金証書を使って奥村は約9億円という金額を逮捕に至るまで横領していました。
紙の月との共通点は「証書の偽造」というところが似ています。
また、白黒でわかりにくいですが容姿がキレイなのも梅澤梨花のキャラクターとかぶって見えますね。
今日爆報フライデーでやってた【滋賀銀行9億円横領事件】の犯人・奥村彰子
当時36歳で未婚じゃ嘲笑の対象でしかなかったとは言え…… pic.twitter.com/2k5IEGcVyJ— 田鶴@ASD&AC (@tokagekanahebi) August 18, 2017
まとめ
・紙の月の最初の横領の手口は存在しない「定期預金証書」を使った。
・定期預金証書を偽造して多数の顧客から横領。
・「滋賀銀行9億円横領事件」という実話の事件と似ている。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!